心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションについて考えたり思ったりしていることをつらつらと書いています。

心電図に詳しくなるオススメ書籍5選

こんにちは、心リハ太郎です。

心電図、苦手な人は多いと思います。
基本を抑えれば、なんとなく読み方は理解できるようになるんですが、その基本を抑えるのがどうしたらよいかわからんのですよね。

実際私も心電図は苦手でしたが、日々の業務で心電図を読まなければいけないので、本と実臨床を行き来する間になんとなく苦手意識は取れましたが、以下で紹介する本にもっと早く出会っていたらなあとは思います。

ここでは心電図に対する苦手意識を克服するために役立つ本、もう少し専門的な本を合わせて5冊選んで紹介しています。

では早速いきましょう。

3秒で心電図を読む本

循環器専門医には足りない内容ですが、最低限否定しておいた方がよい所見などを見落とさないという意味で、逆に非循環器医やコメディカルにとってはとても役立つ本です。
さすがに3秒では読めないですが、3ステップでシンプルに心電図を判断するという実践的な内容になっています。
心電図についてディープに学習したい人は他の本をオススメしますが、まずは現場で使える知識や技術、そして最低限の自信を身に付けたいという人にオススメの一冊。

ER心電図の超速診断

アメリカのマサチューセッツ総合病院における心電図読影マニュアル。
豊富な心電図症例を生理学的な知識をもとに解説しており、難しいことを非常に分かりやすく教えてくれる名著です。
心電図についてある程度理解できている人が次のステップに進むのに最適な本で、読み終わって臨床で使って行くうちに自分のスキルアップを実感できるでしょう。
心電図に自信がない方は、まずは上の『3秒で心電図を読む本』や下の『心電図最後の教科書』あたりで感覚をつかみ、それから本書に行くとよいのではないかと思います。

心電図最後の教科書 12誘導編

心電図が苦手だなーとか難しそうだなーとか思っている人が、その固定観念を覆すためにどうしたらいいのか、という視点から書かれた一冊。
価格は高く感じるかもしれませんがこの本自体が医療者向けセミナーのようなものなので、そういったセミナーに参加する前にこの本を買って何度も読む方がコスパはいいかもしれません。
またKindleなのでいつでもどこでも読めて、職場ではスマホ、家ではタブレットみたいな、読み方もできます(Kindle自体はiPhoneでもiPadでもAndroidでも無料アプリですので、わざわざKindle本体を買う必要はないです)。
これを読めばプロフェッショナル、というほどの内容ではないですが、逆に導入としては優れているので中級レベルくらいまで引き上げてもらえればよいなら、まずこの本から始めるのはアリでしょう。
Kindleはたまに10%OFFとかやってるのでそういう時に是非どうぞ。
ちなみに不整脈編もあります。
心電図最後の教科書 不整脈編

看護の現場ですぐに役立つモニター心電図

こちらはモニター心電図でこれはいかんという波形を捉えるための本。
QRSは何mmとかの数字にこだわらず、心電図というものの大枠を理解させるように構成されているので、フィーリングで物を覚えていくタイプの人にはピッタリでしょう。
フルカラーで初学者にとって分かりやすい内容になっているのと、2000円以下とにかく安いので、勉強に自信のない看護師や学生などにはこの本から入って心電図とはどんなもんかということを掴み、もっと詳しく勉強したくなれば専門的な一冊を買うくらいの気持ちでよいのではないでしょうか。

ECGケースファイルー心臓病の診療センスを身につける

有名なECGブック -心電図センスを身につける- 第3版から派生した心電図を通して循環器診療を理解してもらうという趣旨の本。
不整脈などに出会った時、どう対応し、どう治療するのかを薬剤まで含めて解説されています。
私はECGブックの初版を使って臨床で出会った心電図を解釈していたのでこの本は分かりやすく読めました。
ECGブックを持っている人にはオススメの一冊です。
というかECGブックも良書で小型なので臨床で使うには重宝します。
実はECGブックを勧めるか、こちらの本を勧めるか迷いましたが、こういうスタイルの本はなかなかないのでこちらをチョイスしました。
ということで追加でECGブックも。

皆さんも無理なく読める本を使って心電図への苦手意識を克服しましょう。

ではでは。

今年の学会も終わりましたね

こんにちは、心リハ太郎です。

今年の学会も終わりましたね。
始まるとあっという間です。
皆さん発表やら参加やらお疲れ様でした。

今年は移動も結構大変だったし、暑さにヘトヘトでさぞかしビールがうまいことと思います。

私もひっそりと無事発表を終え、玉宮町という岐阜駅前の飲み屋街で1人0時会中です。

毎年発表の準備がバタバタするので早めに始めることにしてるんですが、直前になってあれもこれもと気づき結局最後までバタバタするのが変わりません。

まあ夏の風物詩ということで、よしとしましょう。

皆さん、よい夜をお過ごし下さい。
ではでは。

学会短報

学会に来ている方もそうでない方もこんにちは。

岐阜駅と学会会場のアクセスが非常に大変に最悪に悪く、シャトルバスの運行も少ないため私の周りでは今回はヤバいという声が飛びかっております。

朝一からの参加をお考えの方は、明朝のシャトルバスは凄まじい争奪戦になることを覚悟したほうがよさそうです。

明日から参加予定で数人でまとまってくる方はタクシー乗り合わせを考えてもよいかもしれません。

岐阜駅にはレンタサイクルがありますので雨さえ降らなければそれもありかと思います。15分か20分くらいで着くようです。
(そういう会話している人がいました。)
ただ貸し出しは9時からみたいなので朝一には間に合いませんね…。
帰りは楽だと思いますが。
レンタサイクルのご利用方法/歴史まちづくり課/岐阜市公式ホームページ
レンタサイクルポートのご案内/歴史まちづくり課/岐阜市公式ホームページ

個人的にはサムさんに会えたのとダンスが楽しかったのがよかったです。
(ってそれだけかい!)

厳しい暑さの中大変ですが明日も頑張りましょう。

ではでは。

VE vs VCO2 slopeのわかりやすい(かもしれない)解説 後編

こんなに長くするつもりがなかったこのVE vs VCO2 slope編もようやく終わりが見えてきました。

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

VE vs VCO2 slope(VE/VCO2 slope)の異常に関係する因子についての最後の項目です。

あと少しだけお付き合い下さいね。

前編、中編を読んでいない方はこちらからどうぞ。

VE vs VCO2 slopeのわかりやすい(かもしれない)解説 前編 - 心臓リハビリテーションのまにまに
VE vs VCO2 slopeのわかりやすい(かもしれない)解説 中編 - 心臓リハビリテーションのまにまに

廃用症候群

理学療法を生業にしている人もそうでない人も、廃用症候群があるかどうかを判断できることは非常に大事になります。

廃用症候群が起こる生活をしているかどうかは、自宅で運動をしているかどうかだけではなく、自宅では座ってばかり、あるいは横になってばかりという生活をしていないかを確認するとわかります。

もし1日30分の運動を週に3回していても、あとは横になってばかり、テレビをみてゴロゴロしてます、なんて人は立派な廃用症候群もしくは高リスク群ですので、そのあたりを聞き出すと判断の助けになるかもしれません。

息切れがある人は安静な生活にシフトしやすいことは中編で述べました。

また心臓病と言われたために、患者さん本人が不必要な安静をとり始めたり、家族が不必要な安静をとらせたりということも、安静の害を医療者がしっかり説明できず、患者さんやその家族が理解できていないときはよく起きます。

これから説明するいくつかの経路が関わることで、安静が換気を亢進させる方向へ身体を変化させていきます。

個人的には、嫌気性代謝域値(AT)が低い人は大体が廃用的生活を送っている印象がありますので、CPX結果でVE vs VCO2 slope以外のデータも確認してみるとよいでしょう。

CPXでATが3METs(10.5ml/min/kg)に満たない人は廃用的生活を送っていることを怪しんでみてよいと思います。
また心不全患者さんではAT<11ml/min/kgで予後不良という国内のデータもありますので、11辺りの値でもよいかもしれません。

では廃用症候群から換気亢進が起こるメカニズムを簡単に考えてみましょう。
実際はかなり複雑になりますので、大まかな理解ができる程度の説明でいこうと思います。

骨格筋の廃用症候群による影響

まず骨格筋が関与する換気亢進には大まかに2つの経路があります。

  1. エルゴリフレックス
  2. 骨格筋量や筋力の減少

エルゴリフレックスは筋肉への物理的刺激に応じて換気量を調整する仕組みでしたね。

安静による廃用症候群はこのエルゴリフレックスを亢進させます。
また心不全が重症化してきてもこのエルゴリフレックスは亢進します。

廃用症候群の人、とくに心不全患者さんが動くとすぐに息が切れる理由の1つはこのエルゴリフレックスの異常です。
動き始めれば基本的にはある程度改善するはずです。

ちなみに明らかな心不全ではない高齢者の廃用症候群でもVE vs VCO2 slopeが余裕で40を超える場合もあります。

VE vs VCO2 slopeが40を超えると生命予後は悪くなりますので、こういう方はどうしたら廃用的生活を抜けださせることができるかに頭を悩ます必要があります。

また廃用により骨格筋も萎縮、変性し、息切れのしやすいミトコンドリアの少ない筋肉(速筋線維:typeⅡ線維)になります。

さらに筋力が低下すると、日常生活レベルの低い負荷(大体3METs未満)でも有酸素運動の範囲を超えるため、二酸化炭素排出量が増えて換気が増えます。

このようにして、廃用的生活を続けることで骨格筋はどんどんと換気亢進しやすい質の悪い筋肉に変化していくのです。

骨格筋以外の廃用症候群の影響

また安静による骨格筋以外の廃用症候群も数多く出現します。
換気亢進に大きく関わるのは次の2つでしょう。(たぶん本当はもっといっぱいありますがこのくらいにしときましょう)

  1. 交感神経系の亢進
  2. 起立耐性の低下による易疲労

身体を動かさないと交感神経系は亢進します。

交感神経系が亢進する理由は色々とありますが、ものすごく簡単に言うと、生物にとって身体を動かさない(動かせない)状態というのは、異常事態に他ならないからです。

野生状態であれば、動けない=死の危険を意味します。
エサを取れず餓死する、傷や病気で死ぬかもしれないなどです。

危機的状況下で交感神経系が亢進するのは人間であっても変わりません。

重症心不全でないのに寝てすごしている人というのは、身体を休めるという名目でわざわざ自らを危機的状況に追い込んでいるわけです。

交感神経の亢進は換気を増やす方向に作用します。
このあたりは生理学の基礎だと思いますので割愛します。

起立耐性の低下

起立耐性が落ちるというのは、

  1. 身体を支えるための抗重力筋の筋力低下
  2. 起きることで血液が下肢の方へ溜まるのを上に押しもどすための静脈血管の調節機能低下

のことです。

起立耐性が落ちると座っていても立っていてもしんどいということになります。

そうして極度の易疲労により横になって過ごし、それがさらなる廃用症候群を引き起こすわけです。

心不全患者さんの場合、臥床による肺うっ血や胸水の増悪も起こります。

こうして起こった易疲労やうっ血増悪により、換気は容易に亢進します。

このような人にはなんとかして端坐位時間を増やすような働きかけが必要です。

本人に言っても難しい場合は、入院中なら病棟へ離床をお願いする、自宅なら家族へ働きかけたり、デイサービスなどの回数を増やすなど、環境面の調整が重要になります。

こういう人に「運動しましょう!」といっても拒絶されるのがオチです。
まずは身体を起こすことに慣らすことから始めてもらいましょう。

VE vs VCO2 slopeが高い人に対する介入

まず、心不全や肺疾患などが薬剤などでしっかりコントロールされていない場合はその治療が第一です。

次に睡眠時無呼吸症候群(SAS)のある場合も適応に合わせた治療を行うのがよいでしょう。
SASは各種疾患をより悪くするブースター効果がありますので、あまり放っておきたくはないところです。

あとはできる限り廃用的生活を改善することです。

ほとんど横になって過ごしている人なら端坐位へ、ほとんど座って過ごしている人なら軽い筋トレや散歩、場合によっては介護保険制度の利用も考慮するとよいでしょう。

ある程度の運動をしてますという人でVE vs VCO2 slopeが悪い人は肺疾患か心不全など何かの病態を疑ってもよいかと思いますが、実は本人の言う運動が横になってストレッチするだけだったりの場合もありますので、その辺りをうまく聞き出してみて下さい。

携帯やスマホの歩数計が使える場合は、歩数を目安に活動を増やすのもありです。
おそらくですが、廃用進行を止めるのに高齢者でも最低6000-7000歩くらいは必要です。
10分歩くと約1000歩というのも覚えておくとよいでしょう。

ではでは。

岐阜で会いましょう

こんにちは、心リハ太郎です。

学会の準備で色々と忙しいため更新がなかなかできずにおります。
学会が終わればまた通常運転に戻りたいと思いますのでしばしのお待ちを。

何の学会かって?
あれですよあれ。あの学会ですよ。

岐阜までは名古屋からJRで約20分で着くそうです。
岐阜ってなんか遠いイメージがありましたが、それほどでもないんですね。

では皆さん岐阜でお会いしましょう。

岐阜さんぽ

岐阜さんぽ

VE vs VCO2 slopeのわかりやすい(かもしれない)解説 中編

思ってたよりも長くなってしまったVE vs VCO2 slope編の中編です。

前編を読んでいない方はコチラからどうぞ。

http://cardiacrehablog.hatenablog.jp/entry/vevco2slope01-20170630

今回はいよいよVE vs VCO2 slope(VE/VCO2 slope)の上昇に関わる因子について考えてみます。
ここが分かると様々な場面でVE vs VCO2 slopeの値を柔軟に考察できるようになり、臨床での考え方の幅が広がります。

換気亢進(息切れ)は予後を悪くする

前編ではVE(分時換気量)には体内で生じる二酸化炭素の量か大きく関わり、基本的には二酸化炭素量に応じて換気量が調節されることをお話しました。

これからお話するのは上のような正常なパターンではなく、何らかの病態や廃用症候群などが関わり、体内の二酸化炭素濃度に全然合っていない過剰な換気亢進が起こるパターンについてです。

この過剰換気の度合いを示すのがVE vs VCO2 slopeです。

VE vs VCO2 slopeは心肺運動負荷試験(CPX)で漸増負荷運動(徐々に負荷がしんどくなる運動)を行った際の二酸化炭素排出量(VCO2)に対する換気量の関係性を表す値です。

前編の最後にもお話したように、VE vs VCO2 slopeが高くなると予後が悪くなる理由の一つは心不全の重症度が関わるからです。
心不全が重症になるほど、うっ血による肺の死腔が増え、過剰な換気が生じるようになりますから、息切れでNYHA分類も悪くなりますし、確かに予後が悪くなるのも頷けます。

しかしVE vs VCO2 slopeが高くても、BNPや心臓エコーなどの値に大きな問題がないことも多々あります。
このページをご覧になっている人の中にはこのパターンに悩んでいることが結構多いのではないかと勝手に思っています。

BNPや心臓エコーの値(EFやE/e'など)が悪くなくてもVE vs VCO2 slopeが悪ければ予後は不良になります。

何故なら、
過剰な換気が起こる=息切れ感や呼吸困難感を感じる事が多い
ということだからです。
これは当たり前ですが大事なことで、VE vs VCO2 slopeとはこの息切れを数値化した客観的な指標なのです。

息切れを感じ始めた人は大抵の場合、まず日常生活での活動度を落として安静にし始めます
あるいは息が切れないよう無意識のうちに動き方をゆっくりにしたり、息が切れる前に休み休み動くようになるかもしれません。

このような過ごし方をすると、身体をしっかりと使わなくなるため骨格筋の筋肉量が減少し(サルコペニア)、虚弱状態となりADLが低下しはじめます(フレイルティ)。
また過度な安静により、循環器系の様々な調節能低下も生じたり、活動量低下に伴う労作時高血圧の増悪が起こる場合があります。

このようにして、安静状態の増加は心不全を増悪させたり、さらなる息切れや易疲労感を引き起こし、悪循環が回り始めます。
すると、どんどんとフレイルティが進行し、できるADLや社会参加が減少することでQOL(人生の質)が低下していきます。

したがって、過度な換気亢進のある患者さんには、なんとか換気亢進を改善させるよう働きかけなければならないのです。

換気亢進に関わる心不全以外の因子を知ろう

前編で、ケモリフレックス(化学受容体反射)とエルゴリフレックス(運動器受容体反射)という言葉を覚えていただきました。
これらは、酸や身体活動に対する神経を介した呼吸調節反射のことです。

この呼吸調節反射の異常に関わる心不全以外の因子にはどんなものがあるでしょうか?

結論から言うとVE vs VCO2 slopeの上昇には大きく3つの理由が考えられます。

  1. COPDなどの肺疾患
  2. 睡眠時無呼吸症候群SAS
  3. かなりの身体活動量低下がある(強い廃用症候群が存在している)

これらは単独で予後不良となる因子ばかりですが、もしかするとVE vs VCO2 slope高値の予後不良に関わっているかもしれません。

COPDなどの肺疾患とSASは、単体でも予後不良因子となるため否定できるならしておいた方がよい病態です。

順番に見ていきましょう。

肺疾患

疑わしければ肺機能検査をしてもらいましょう。以上。

というのは冗談で、既往歴や喫煙歴、レントゲン、CT画像などから判断しましょう。
もちろん肺機能検査も非常に参考になります。

既往歴に肺疾患があれば肺機能の低下が進行している可能性があります。

また既往歴がなくても、じん肺(粉塵の多い場所での労働歴)、COPD(喫煙歴:ブリンクマン指数など)、間質性肺炎(アンカロンなどによる薬剤性含む)などについては考えておいても損はありません。

このような病態が隠れている場合は、心疾患とは別に換気亢進の原因となっている場合があります。

必要に応じた治療肺疾患に特異的な運動療法プログラムを考慮するとよいでしょう。

またVE vs VCO2 slopeの値が悪化していることを禁煙の動機付けにしてみるのもよいかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群SAS

睡眠時無呼吸症候群SAS)は、言葉通り、睡眠中に呼吸が止まって低換気となることで、CO2の増加、O2の低下が生じ、そのために高血圧、不整脈、心血管疾患のリスクが引き起こされる病態です。

SASには閉塞性(OSAS)と中枢性(CSAS)があります。

OSASは気道閉塞という物理的原因で起こるものです。鼻、咽頭などの構造が関与するため恐らく遺伝も関与してきます。

肥満などによる首回りの肥厚でより増悪する場合もありますし、肥満がなくてもOSASを有する人もいます。

ベッドサイドを訪れた際に寝ている患者さんがひどいいびきをかいていたり、息が止まったりしていたらSASを疑ってみるとよいでしょう。

また

  • 家族から寝ている時のひどいいびきや呼吸停止などを指摘されたことがある
  • 昼間の強い眠気がある
  • 起床時に熟睡感を感じない

などの話を聞き出した時もSASの可能性を疑ってみて損はないでしょう。
SASとは別の睡眠障害が隠れている場合もあります。)

CSASは心不全他の肺うっ血などによる換気障害が長期間存在し、呼吸中枢や自律神経系が換気調節のポイントをおかしなところでセットし直してしまった状態です。
OSASが長期間続いてもOSASに移行するかもしれません。

エアコンの温度調節がおかしくなって、25度に設定しても28度になってしまうみたいな感じでしょうか。

重症のSASを有する場合、CPX中に、呼吸指標が波打つような波形になる、いわゆる周期性呼吸(oscillatory ventilation)が出現することがあります(重症心不全でも出る場合があります)。

周期性呼吸とVE vs VCO2 slopeが合併すると予後不良になるという報告もあるため、CPXで周期性呼吸が出現した場合はSASの可能性も考えるということを頭の隅に置いておいてもよいかと思います。

心疾患患者さんには、考えている以上にSASが存在しますし、薬剤難治性の高血圧にSASが関与している場合もあります。

OSASの場合はCPAP療法が、CSASの場合はASV療法が効果的と言われています。
これ以上説明するとただでさえ長いこの説明がさらに長くなってしまうので、ご興味のある方は自分で調べてみてください。

あるいは、また別稿で後日説明したいと思いますのでそれまでお待ち下さい。

というわけで、睡眠時無呼吸症候群も重要ですよ、というお話でした。

長くなってきたので次に続きます。
次で最後です。

オピーの心臓生理学―細胞から循環まで

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