こんにちは、心リハ太郎です。
学会発表し始めて今年で10年経ちました。
長いような短いような、まあでもあっという間だったな、という感じです。
人によっては学会発表というのはハードルが高いイメージがあると思います。
私もはじめのうちは、ポスター発表でも心臓バクバクでした。
今では口述演題でもそれほど緊張せず、楽しんで臨むことができるようになっています。
この違いは、発表に慣れた、というのもあるんでしょうが、とても大事なことが理解できてきたためだと思っています。
学会発表や研究はコミュニケーションである
その大事なこととは何か。
それは、学会発表とは戦いの場ではなくコミュニケーションの場であるということです。
決して自己満足とか優越感を味わうとか自分の有能さを確認するとか、そういう場所ではないのです。
つまり、学会というのは(研究というのは、と言い換えてもよいですが)、自分の考えを他人になるべく正確に理解してもらえるよう伝え、他人の考えをなるべく誤解せず正確に理解し、お互いが真摯にコミュニケーションを取り合う場である、ということです。
このあたりを理解せず、質疑応答の時なんかに、他人に対して優位なポジションをとるために、マウンティングするようなコミュニケーションをとってしまうことは発表者にも質問者にもよくみられます(これを無意識にやっている人もいます)。
逆に、自信や余裕がなさすぎるせいで、自分が本当に言うべきことを言えない、他人が言ってくれていることをうまく理解できない、ということもよくあります。
いずれにしても、こういうのは真摯なコミュニケーションとは言えず、その結果有意義なやりとりにならないことが多いです。
研究デザインなどは確かに大事だけれど・・・
研究デザインの勉強とか統計学の勉強とか英語論文読んだりとか、そういうのは確かに大事です。
ただ、研究デザインも統計学も英語も、数をこなしていれば段々と理解できるようになるものです。(ある程度適切な勉強をしないとダメですよ。)
それよりも大事なのは、真摯なコミュニケーションをとるのだ、ということを理解して研究・発表に臨むべきだということです。
研究デザインや統計学の勉強をするのも、自分が本当に調べたいことが何で、どういうことがわかったのか、ということを自分以外の人に理解してもらうための、共通言語・共通ツールとして必要だからです。
また論文を読むことも、他人がこれまで調べてきてくれたことを正しく理解して(これもコミュニケーションの一つ!)、自分の研究に生かしたり、自分の研究と合わせた現在の知見を他人に伝えたりするために必要なんです。
ですので、お互いの考えを理解することを目的として研究や学会発表に臨むと、全く違う世界が見えてきますし、他人と真摯なコミュニケーションをとれるようになるので、すごく楽しいですよ。
ではでは。