こんにちは、心リハ太郎です。
最近Apple Watchについていくつか面白い記事を見つけたので調べてみたら、想像以上に心臓リハビリテーション領域で使えるのではないかと思いました。
- Apple Watchの脈拍測定機能
- Apple Watchで心電図が取れるようになった!
- その他にも多くの研究業績があるKardiaBand
- Appleもヘルスケアプログラム開発を進めている
- 糖尿病の判定にも使えてしまう
- 今後は血圧測定も可能に?!
- まとめ
Apple Watchの脈拍測定機能
Apple Watchは、series2から脈拍測定機能がついたのはご存知の方も多いと思います。
心拍数。その意味と Apple Watch での表示方法。 - Apple サポートより引用
脈拍を取ることができると、心肺運動負荷試験(CPX)で判定した目標心拍数(THR)を用いて、客観的に嫌気性代謝閾値(AT)レベルの運動を行うことができるようになります。
ATレベルでの運動は、安全であり、なおかつ体力の向上や動脈硬化の予防、心筋梗塞の再発予防など様々な効果が得られます。
ATを超えたレベルでの運動は、血圧が上昇したり、血が固まりやすくなったりするため、動脈硬化を進行させたり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしたりする負の影響が出てきます。
またATレベルに達しない運動では、体力の向上や病気の予防といった効果が充分に得られなくなります。
運動療法を安全かつ効果的に行うのに重要なアイテム、それが脈拍計です。
個人的に若い世代の患者さんには、在宅運動療法にあたり腕時計型の脈拍計を購入することをおすすめしています。
ただ、Apple Watchでなくとも脈拍計は安いものから高めのものまで販売されていますので、わざわざ高価なApple Watchを購入する必要はないかなと思っていました。
いままでは。
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しかし、最近のApple Watchはそれだけではないのです。
凄まじい進化をし始めています。
Apple Watchで心電図が取れるようになった!
最近、アメリカではApple Watch用のバンドとして心電図の測定ができる製品が登場しました。
KardiaBand - EKG Band for Your Apple Watch® | AliveCor – AliveCor, Inc.
AliveCorという会社が開発したKardiaBandという製品です。
心電図が取れるということは、心臓で起こっている電気的な異常がわかる、ということです。
脈拍とは心臓から出た血液が血管を通ってきたものですので、心臓本体の異常はそれだけではわからないことも多いのです。
このKardiaBandを使い高カリウム血症の判定が可能であることを、2018年3月11日のアメリカ心臓病学会(ACC)でAliveCorのCEOが発表しています。
Apple Watch用の心電図測定バンドが高カリウム血症の測定を可能に - GIGAZINE
高カリウム血症は、致死性の不整脈を引き起こす原因にもなりますので、腕時計を付けているだけで高確率で高カリウム血症を発見してもらえるのは、素晴らしいことです。
これは単なる脈拍計にはできないことです。
その他にも多くの研究業績があるKardiaBand
KardiaBandに関する研究業績はこちらにまとめられています。(英文です)
Clinical Research | AliveCor
中を見てみるとKardiaBandを用いた心房細動(AF)の自動判定に関する論文が一流紙のJACCに載ってますね。すごいですね。
http://www.onlinejacc.org/content/early/2018/03/06/j.jacc.2018.03.003
それにしても10年前には腕時計型の脈拍計があったらいいのに、と思っていたのが、腕時計だけでモニター心電図まで取れるようになるとは驚愕の一言です。
十年一日(じゅうねんいちじつ)とは本当のことなんだなあ・・・としみじみ。
Appleもヘルスケアプログラム開発を進めている
Appleもスタンフォード大学と共同で心房細動の判定を行えるプログラムを開発しているようです。
Appleがスタンフォード大学と協力して不規則な心臓のリズムをApple Watchで識別する取り組みを発表、心房細動を通知するアプリ「Apple Heart Study」も登場 - GIGAZINE
こちらは脈拍データから判定を行うプログラムを開発したようですね。
心房細動があると、脈拍が抜けたり、一定間隔ではなくなったりするため、脈拍計の利用が難しくなりやすいのですが、恐らくそれを逆手にとったものだと思われます。
糖尿病の判定にも使えてしまう
このほかにも糖尿病の判定なども脈拍計を使えば高確率で行えるようになっているとのこと。
Apple Watchでなくても脈拍計であれば判定可能になる可能性があるようです。
心拍数測定可能なウェアラブル端末があれば85%という驚きの精度で糖尿病が検出可能という研究結果 - GIGAZINE
これは糖尿病による自律神経異常なんかを脈拍からみるんでしょうかね?
これもすごいです。
いよいよ自動的に健康管理のアドバイスをしてくれる機械が登場してきたということですからね。
今後は血圧測定も可能に?!
次世代のApple Watchでは胸に手を当てながら測定を行うことで血圧を測定できる機能が付く可能性が報じられています。
次世代AppleWatchに搭載が噂される「血圧計」の仕様が判明!?AppleWatchと専用バンドの組み合わせで血圧を計測か | Apple Watch Journal
実際の心拍と脈拍を同時に取ることで、血圧を推定する仕組みのようです。
脈拍から血圧が推定できたらいいのに、と考えていましたが、まさか実現される未来が到来するとは思ってもいませんでした。
世界のトップ企業の開発力は並大抵のものではないですね・・・。
Apple Watchにはなかなか手を出せずにいましたが、ここまで来るとそろそろ自分でも買っておいた方がよいのでは?という気になってきました。
真面目にApple Watchの購入を検討したいと思います。
まずは我が家の財務省の認可が必要ですが(笑)。
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まとめ
今回は、Apple Watchが思ったよりもすごく進化しており、心臓リハビリテーション領域でも利用を考えるべきではないか、というお話でした。
今後も急速に研究が進みそうな分野なので、アンテナを張っておきたいと思います。
ではでは。