心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションを10年以上している心リハ太郎が日々考えたり思ったりしているエビデンスのあることないことをつらつらと書いています。

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医療においては人工知能の成長コストは大きな問題にならない

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人工知能(AI)が未知の環境であっても対処できるようになるためにはかなりのコストがかかるようです。

ポナンザの「守破離」|人工知能はどのようにして「名人」を超えるのか?|山本一成|cakes(ケイクス)

 ポナンザの場合は、合計で300コアになるマシン数台を何か月も動かし続けて、少しずつ少しずつ強くしていきました。このやり方ですと、電気代も毎月、数十万円以上かかります(これはもちろん個人ではまかなえませんので、さくらインターネットさんの支援を受けています)。

 人工知能の開発は、もはやそのレベルのリソースがなければ、勝負の場に立つことも難しいのです。

 つまり、AIの開発が進むのは高い収益性の見込める分野からであるということを意味しています。

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質

医療はAI開発における狙い目の一つ

医療(特に診断)は基本的に高い収益性が見込める分野になります。

それは医師の平均年収が一般よりも非常に高いことからも分かります。

このことから、医療分野においてはAIによる診断能力が人間による診断能力を上回るまでの年数が、皆の思っている以上に短い可能性があると考えられます。

あっという間にAIの時代がくるかも

囲碁の世界でAIがトッププロを追い越すまでにかかった時間が想定よりもはるかに短かったことを考えると、もしかすると10年以内に起きることかもしれません。

少なくとも現在カルテ診ばかりしている医師はAIとの競争が起きた場合、生き残れない可能性があります。

また、画像による判断はディープラーニングの最も得意とするところであり、画像診断を専門としている職種も淘汰される可能性があります(AIを導入できる資本を持った大病院ほどその可能性は高いかもしれません)。

逆に複数の分野にまたがる情報を統合することなどはディープラーニングではまだ調整が難しいかもしれません。

あるいは、人間の気持ちや感情を推し量りながら会話するなど、生身の人間を相手にすることも不得意と思われます。

ですのでカウンセリング、行動変容などの対人的関わりはもうしばらく人間の舞台になると思われます(逆に投資のアドバイザーなど自分の感情を入れずにアドバイスを行う業務はコンピュータのほうが得意でしょう)。

自分の専門性がコンピュータに追い越されないようなものなのかどうか、現状のAI技術についてしっかり把握した上で、よく考えてみるのがよいのではないでしょうか。

 

グーグルに学ぶディープラーニング

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