こんにちは、心リハ太郎です。
個人的には作業療法士(OT)という仕事は素晴らしい仕事だと思っています。
何故かというと、作業療法とは応用的なADLやQOLといった、より人間らしい高次の部分にアプローチする職業だからです。
ですので、作業療法士だから上肢活動、理学療法士だから下肢の活動みたいな分け方とかは馬鹿らしいと思いますし(もう今はあまりいないかもしれませんが)、作業療法士は人間の精神面に対する専門性も持つことからして、人間らしく生きることに対する専門家であるとも言えるわけで、理学療法士と同じような歩行練習や上肢活動ばかり行なっている作業療法士をみると、もったいないなあと感じていたのです。
歩行練習をするのがいけない、と言っているわけではなくて、作業療法士として、より高次の人間らしさの追求のための過程として行なっているのならOKだと思うのですね。
ですから、理学療法士とは全く違った視点で人間を見ている作業療法士が自分の周りでは少ないことについて、これまで少し残念な気持ちを抱いていました。
しかし!
この度、作業療法の新たな定義が30数年ぶりに作業療法士協会の総会にて可決されたようです。
引用します。
作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。
これまでの定義が
身体又は精神に障害がある者、またはそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持及び開発を促す作業活動を用いて、治療、指導及び援助を行うこと
という、明らかにリハビリテーション後進国みたいな定義でしたから、人間らしさというものにスポットライトを当てた新しい定義が決まったことは、本当に喜ばしいことです。
これで、1人でも多くの作業療法士の方が、患者さんのより人間らしい人生を取り戻すために自分が、そして作業療法士が何をできるか、ということについて再考していただけると、日本のリハビリテーションはもっともっと良くなるのではないかと期待をしています。
当ブログでも心臓リハビリテーションとは何か、という記事を書いています。
心臓リハビリテーションとは(その1) - 心臓リハビリテーションのまにまに
リハビリテーションは単なる運動療法などではなく、
たった一度の人生を送っている人が病気になった後もできるだけ幸せに生きることがリハビリの目標
と述べています。
心臓リハビリテーションの対象患者さんは身体が動く人が多いため、より高次なADLやQOLの向上が重要になる方が多いのです。
つまり心臓リハビリテーションでは、作業療法士の独壇場!とまではいいませんが、非常に重要な職種になることは間違いありません。
このことに早くから気付いて、心臓リハビリテーションの領域に飛び込んできてくれる作業療法士の方がもっともっと増えるとよいなあと、切に願っています。
ではでは。