心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションを10年以上している心リハ太郎が日々考えたり思ったりしているエビデンスのあることないことをつらつらと書いています。

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運動負荷試験Q&A119はスゴい本


こんにちは、心リハ太郎です。

心肺運動負荷試験(CPX)や運動負荷心電図について深く学べる本はそれほど多くありませんが、ものによっては結構高いので、個人ではおいそれと買えないことも多いですね。

そこで心リハ太郎厳選の運動負荷試験に関する1冊をご紹介します。

運動負荷試験Q&A119

著者は国内における心臓リハビリ・運動負荷試験のパイオニアの1人である上嶋健治さんです。

上嶋健治さんは各種大規模臨床試験にも関わり、京都大学医学部付属病院のEBM推進部特定教授でもあり、運動負荷試験のみならず循環器疾患や心臓リハビリのエビデンスに関して豊富な知識をお持ちの方です。

とはいっても、この運動負荷試験Q&A119は所詮Q&A方式だし大したこと書いてないんじゃないかと思い、試しにページをめくってみると、良い意味で期待を裏切られること請け合いで、ページをめくる毎に目からウロコが落ち続けるくらい素晴らしい本です。

例えば運動負荷試験中の心電図変化についてだけでも、エビデンスを交えながら、ST低下といった基礎的な部分からU波の変化といったマニアックな内容まで、簡潔に分かりやすく示されており、CPXに13年携わってきた私にとっても今だに新たな知識をもたらしてくれる一冊となっております。

内容は多岐にわたり、

  • 運動負荷試験の意義とリスク
  • 機器の取り扱い
  • 運動負荷心電図の意味
  • CPX指標の意味と意義
  • 負荷試験中の自覚症状や他覚所見の扱い方
  • 運動処方の方法

など、読み応え十分です。

さすが国内の運動負荷試験に関するトップランナーと思わせる、1970年代から近年にわたる広範なエビデンスを示しながらの解説には脱帽するばかりです。

CPXを含めた運動負荷試験の奥深い世界を味わいたい方、また日常の臨床に刺激を感じなくなった方などに、是非ともオススメしたい一冊です。

CPXについて詳しくない人へのオススメ本

CPXについてそもそもあまり分からないという方はこちらの『CPX・運動療法ハンドブック 改訂3版 心臓リハビリテーションのリアルワールド』をどうぞ。

こちらはQ&Aではなく、基本的な内容が網羅されていますし、ハイレベルな疑問にも対応できるスタンダードな一冊ですので、CPXに関わる人なら是非とも手元に置いておきたいですね。

さすが改定3版ともなると非常に洗練され、近年のエビデンスにも対応しています。

ではでは。