心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションについて考えたり思ったりしていることをつらつらと書いています。

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心不全患者さんの訪問看護・介護でのハラスメントや暴力に対し病院ができることは?

こんにちは、心リハ太郎です。

高齢者や認知症の心不全患者さんが今後劇的に増えることが予想されています。

心不全は適切な管理を行わないと簡単に増悪する病気ですが、

  • 複数の薬を間違えず忘れずに飲む
  • 塩分制限をする
  • 毎日体重測定をしてむくみがひどくなっていないかを確認する

など、管理することがたくさんあります。

このように若い人でも難しい心不全の管理を、高齢者や認知症の方(またはその家族)が行うのはさらに難しく、何らかのサポートを必要とするケースが大半を占めるはずです。

また高齢の心不全患者さんの多くは、心不全や不活動、低栄養により骨格筋が減っていく、サルコペニア状態であることが多く、ADLも低下しています。

核家族化の進んだ現代では、高齢者は高齢者のみまたは独居の世帯に暮らすことが多いのが現状です。

つまり、多くの心不全患者さんは、周囲からのサポートは得られないが、移動能力や自己管理能力も低く、心不全という病気を管理するには適さない状況で生活をしています。

すると訪問看護や訪問介護などを利用しようということになります。

しかし、その訪問看護や訪問介護において、利用者である患者さんから、看護師や介護士がハラスメント(嫌がらせ)や言葉や身体的な暴力、犯罪行為を受ける割合がかなり高いという報告もあるようです。

日経ビジネスオンラインの河合薫さんの記事から少し抜粋して紹介させていただきたいと思います。

・介護職の55.9%が身体的・精神的暴力を経験し、施設介護職員では77.9%、訪問介護職員では45.0%
・介護職の42.3%が性的嫌がらせを経験。施設介護職員では44.2%、訪問介護職員では41.4%
(以上は「介護現場にあるケアハラスメント」より)
・訪問看護師の33.3%が身体的暴力を経験
(「在宅ケアにおけるモンスターペイシェントに関する調査」より)
・訪問看護師の50.3%が身体的暴力・精神的暴力・性的嫌がらせを経験。
(「訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力の実態と対策」より)

日経ビジネスオンラインより抜粋

この記事を読むと、病院などでも遭遇するようなハラスメントや暴力の例がいくつか出てきます。

特に、訪問看護・介護においては利用者の居住する閉鎖的な空間でハラスメントや暴力が行われるため、より目に見えにくく、担当看護師や介護士にかかる身体・精神的負担が大きいことが想像できます。

このようなケースが意外と多いことを、訪問看護や訪問介護ステーションの管理者、ケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカーや看護師、リハビリ職種、医師も理解しておいた方がよいものと思われます。

特に入院中に暴力やハラスメント行為を行った患者さんの場合、
病院からの情報提供書の中に、暴力やハラスメントの可能性が高い方であることや具体例を一筆書いておく
ことで、訪問サービスの現場でも職員配置などを工夫して対応できる可能性が高まります。
(例えば、性的嫌がらせをする利用者なら男性職員を配置する、経験豊富な職員を配置するなど)

はじめにも書きましたが、心不全においては、今後在宅での心不全管理をどうしていくかが極めて重要な時代が到来します。

その際には、訪問看護や訪問介護によるサポートは必要不可欠になります。

しかし、上に述べたような利用者の暴力やハラスメントで現場から人が離れてしまえば、サポートを行うことができなくなってしまいます。

なんとか維持可能な(sustainable)体制を皆で協力して作り上げていきたいものです。

今回の参考記事はこちら。
訪問看護や訪問介護の現場の苦労が伝わってきますので是非ご一読ください。
介護職員への暴行、杖を股に当てるセクハラも:日経ビジネスオンライン

ではでは。