心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリで3000人以上の患者さんと関わったわたしが日々考えたり感じたことを綴っています。

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ICFモデルとは?心リハや内部障害で使える実践的な活用法

「心リハやってるけど、何のために運動してるのか分からない」
「カルテを書いてて、何を評価すればいいのか迷う」
…そんなあなたへ。


ADLが満点なのに困っている?

近年、心疾患患者にもフレイル傾向が見られるようになり、心リハの対象患者像も様変わりしてきました。

従来の心リハでは、

内部障害特有の「目に見えにくいADL低下」
(=できるけどしんどい)

というケースが多かったのですが、最近では、

運動器疾患や脳血管疾患のように「目に見えるADL制限」
(=歩けない、手が使えない、転倒する)

がある方が増えてきています。

その一方で、

  • バーサルインデックス(BI)
  • FIM(機能的自立度評価)

こうしたADL指標では「満点」に近い方も依然多く、

「え、なんでこの人に運動療法してるんだっけ?」

という疑問が出ることもあります。

でもこれは、ごく自然な感覚。

そして大事なことは、

「BIやFIMが低くない」=「ADLに問題がない」ではない

という視点です。


見えるADL vs 見えにくいADL

運動器疾患・脳血管疾患

  • 身体機能の変化が見える
  • 活動制限も目に見える

例:変形性膝関節症
→ 変形+痛み → 歩けない、支障がある

内部障害(心疾患・呼吸器疾患)

  • 機能変化が内部で、見えにくい
  • 活動制限も見えにくい

例:
- 長時間歩くと息切れ
- 階段を登るが途中で休憩が必要

できるけど、しんどい。
→ これも立派な“活動制限”です。


NYHA分類は心リハの“ADL指標”

ここで出てくるのが、NYHA分類です。

「心不全の重症度分類」として知られていますが、実はこれが心リハ患者におけるADL指標の一つなのです。

  • ADLが「できない」のではなく、
  • ADLに“強い困難感”がある

この違いがとても大事。


ICFモデルで共通構造を読み解く

ここで登場するのがこの図です。

(

ICFモデル
ICFモデル
)

セラピストが扱う疾患は多岐にわたりますが、本質的にやっていることは同じです。

心身機能や構造に変化が生じ、活動制限が起き、それが参加制約に繋がる

→ それを改善・補完する手段として運動療法や指導を行う

これをICFモデルの枠組みで捉えると、

  • 心リハ
  • 脳血管リハ
  • 運動器リハ

全部、同じスキームの中で扱えるのです。


まとめ|ICFはセラピストの共通言語

セラピストが評価・介入・支援の全てをICFモデルで捉えることで、どんな患者に対しても「本質的な視点」で動けるようになります。

ICFモデルを制する者は、リハビリを制す。


執筆者プロフィール

心リハ太郎(理学療法士/心臓リハビリ専門)
20年近くの臨床経験をもとに、ブログやnoteで情報発信中。