「心リハやってるけど、何のために運動してるのか分からない」
「カルテを書いてて、何を評価すればいいのか迷う」
…そんなあなたへ。
ADLが満点なのに困っている?
近年、心疾患患者にもフレイル傾向が見られるようになり、心リハの対象患者像も様変わりしてきました。
従来の心リハでは、
内部障害特有の「目に見えにくいADL低下」
(=できるけどしんどい)
というケースが多かったのですが、最近では、
運動器疾患や脳血管疾患のように「目に見えるADL制限」
(=歩けない、手が使えない、転倒する)
がある方が増えてきています。
その一方で、
- バーサルインデックス(BI)
- FIM(機能的自立度評価)
こうしたADL指標では「満点」に近い方も依然多く、
「え、なんでこの人に運動療法してるんだっけ?」
という疑問が出ることもあります。
でもこれは、ごく自然な感覚。
そして大事なことは、
「BIやFIMが低くない」=「ADLに問題がない」ではない
という視点です。
見えるADL vs 見えにくいADL
運動器疾患・脳血管疾患
- 身体機能の変化が見える
- 活動制限も目に見える
例:変形性膝関節症
→ 変形+痛み → 歩けない、支障がある
内部障害(心疾患・呼吸器疾患)
- 機能変化が内部で、見えにくい
- 活動制限も見えにくい
例:
- 長時間歩くと息切れ
- 階段を登るが途中で休憩が必要
→ できるけど、しんどい。
→ これも立派な“活動制限”です。
NYHA分類は心リハの“ADL指標”
ここで出てくるのが、NYHA分類です。
「心不全の重症度分類」として知られていますが、実はこれが心リハ患者におけるADL指標の一つなのです。
- ADLが「できない」のではなく、
- ADLに“強い困難感”がある
この違いがとても大事。
ICFモデルで共通構造を読み解く
ここで登場するのがこの図です。
(
セラピストが扱う疾患は多岐にわたりますが、本質的にやっていることは同じです。
心身機能や構造に変化が生じ、活動制限が起き、それが参加制約に繋がる
→ それを改善・補完する手段として運動療法や指導を行う
これをICFモデルの枠組みで捉えると、
- 心リハ
- 脳血管リハ
- 運動器リハ
全部、同じスキームの中で扱えるのです。
まとめ|ICFはセラピストの共通言語
セラピストが評価・介入・支援の全てをICFモデルで捉えることで、どんな患者に対しても「本質的な視点」で動けるようになります。
ICFモデルを制する者は、リハビリを制す。
執筆者プロフィール
心リハ太郎(理学療法士/心臓リハビリ専門)
20年近くの臨床経験をもとに、ブログやnoteで情報発信中。