こんにちは、心リハ太郎です。
今日はちょっと臨場感のある話です。
心肺運動負荷試験(CPX)を日常的に実施していると、いつか必ず出会うのが「血管性迷走神経反射(Vasovagal reflex)」です。
頑張って追い込んだ運動の直後、患者さんの顔が青ざめ、うつろな目つきで座っている—その光景は、経験が浅いうちは非常に恐ろしく感じるものです。
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あの瞬間、どう動く?
ある日、CPXの終了直後に、患者さんの表情が急に変わりました。
顔面蒼白、意識朦朧。こういうとき、慌てるのは当然ですが、冷静な観察と行動が何より重要です。
• 話ができるか確認
• 12誘導心電図(ECG)と血圧計は装着したまま
• 仰臥位へ誘導(ベッドへ寝かせる)
• 意識レベル・末梢冷感・脈拍の触知を確認
意識が戻ってくるようなら、そのまま端座位で様子を見ます。
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顔色が戻らないときは?
もしも、
• 意識がはっきりしない
• 顔色が悪い
• 血圧低下が明らか
であれば、下肢を挙上しましょう。
私は自分の膝に患者さんの足を乗せる方法をよく使います。これにより、下半身から心臓への血流を促します。
この状態で再度バイタル確認を行い、
• 顔色や意識の改善
• 血圧の上昇
が見られたら、下肢をおろして再確認。それでも大丈夫なら、端座位に移行して経過を見ます。
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冷静さは、備えから生まれる
内心はドキドキしますが、患者さんの前では**「大丈夫ですよ」と落ち着いて」**声をかけるのが大事です。
医師が近くにいない場合は、まず「人を呼ぶこと」から始めてください。
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経験する前に、知っておこう
迷走神経反射は、はじめての対応だとパニックになるかもしれません。
だからこそ、
• バイタルサインとフィジカルアセスメントの確認項目
• 下肢挙上の方法
• 逐次の判断基準
をあらかじめ“身体で覚えておく”ことが大切です。
そして、患者さんとご家族には後ほどしっかり説明を。
「ご安心ください、想定された範囲の反応です」と。
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最後に一言
運動負荷試験は、患者さんの体力だけでなく、スタッフの判断力と胆力も試される場です。
今日も、少し嫌な汗をかきました。でも、無事で何より。
あなたにも、もしもの場面で役立てば幸いです。
ではでは。
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補足
• 本記事の内容はあくまで一つの事例に基づくものであり、すべての症例に当てはまるわけではありません。
• 判断に迷う場合は、必ず医師の指示を仰いでください。