心臓リハビリテーションのまにまに

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心エコーに詳しくなるオススメ書籍12選

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こんにちは、心リハ太郎です。

心臓超音波検査(心エコー)は心臓リハビリテーションだけでなく、循環器疾患に関わる全ての職種が理解できなければならない時代に入ってきました。

なぜ心エコーを理解する必要があるのか?

なぜなら心エコーを理解できるということは

  • その人の心臓が今どういう状態なのか
  • その人の心臓に過去何があったのか
  • その人の心臓がこれからどうなるのか

を把握することと同義だからです。

簡単に言うと、心エコー結果の読み方が理解できるようになれば、心不全になりそうな心臓なのか、心不全になってしまっている心臓なのか、それとも心臓には大きな問題はないのかを判断できるということです。

エコー技術の進歩と診断技術の進歩に伴い、この10年の間に心エコーから読み取れるものは大きく様変わりしました。

心不全診断に対する心エコーの重要性は今後さらに高まる

ヨーロッパ心臓病学会(ESC)の心不全に関する2016年のガイドラインでは、BNP(もしくはNT-proBNP)と心エコーを用いた心不全の客観的診断が推奨されています。
くわしくはまた別記事で書きます。


このガイドラインでの診断基準は心不全の早期発見と早期治療開始が目的としたものであり、世界的な高齢化を前にして「なんとか心不全が増悪する前に予防しなければ心不全患者数がとんでもない勢いで増えてまずい」というメッセージとしか考えられません。

このような診断基準の登場により、これまではなんとなく臨床所見から「心不全かな?」という曖昧な判断がされていたものが、クリアカットな基準で判断されるようになり、2017年現在から数年のうちに心不全診断と治療が激変するものと思われます。

心臓リハビリテーションや循環器疾患に関わる職種は、心エコーをはじめとした各種客観的視点から、心不全の早期発見が求められる時代になるでしょう。

この早期発見において心エコーは大きな役割を果たします。
今回は、この心エコーを理解する上で役に立つ書籍を選んでみました。

心エコーを理解するためには心臓の構造や機能、心臓以外の循環器についても知っておく必要がありますのでその辺りも含めたセレクションです。

私はエコー撮影する側ではなく内容の良し悪しはわからないのでエコー撮影技術に関する書籍はあまり選んでません。悪しからず。

心臓外科医が描いた正しい心臓解剖図

心エコーの本ではありませんが心臓の中がどうなっているのかについて、臨床に則した解剖図が様々な視点から描かれており、心臓の構造や機能を解剖図から知ることができる稀有な内容です。

エコー像で何を見ているのかを理解するのに非常にためになる一冊なのでまずはじめに紹介します。

近年右心室の機能についてもその役割が見直されてきていますが、非常に詳細な右心室の解剖図まであり、循環器に関わる医療者は手元に置いておいても損はない一冊だと思います。

萌える!心力学 心機能がやさしくわかる58のエピソード

心臓の働き(心機能)は心臓だけによって決まっているのではありません。
血管抵抗(後負荷)や静脈還流量(前負荷)など心臓外の影響を受けています。

心エコーを知る前に、心機能とはどんなものなのかを知っておくと、より深く心エコーの結果を解釈することができます。
また心臓リハビリテーションでの運動療法や身体活動の際にどのような力が心臓に働くのかを知っておくためにも心力学的な考え方は身につけておくべきです。

この心力学に注目した書籍は実は少なく、なかなかオススメできる本がないなあと思っていました。
そんな時、今年の学会の書籍販売でこの本を見かけたので試しに読んでみたら「萌える!」とうたっているわりに内容は良質(失礼)だったので、読みやすさやテーマ、初心者向けの内容ということも含め、こちらをオススメします。

著者の岩倉さんはこの他にもエコーの書籍を出版しており、単なる受け狙いの本ではありません。
図や写真も多く、心機能の把握の仕方がよくわからないという方にはうってつけの一冊。

恋する心エコー 心機能は4つの線で理解できる メルクマール編/実践編

また萌え系ですが、こちらも心エコーや他の検査や臨床所見から心臓の状態を読み解くための方法が説明されている、見た目に反して実践的で硬派な内容の本です。
著者は心臓リハビリテーション指導士も持っておられ、その点からも単なるエコーの知識だけでは終わらせないぞという熱意が伝わってきます。

心力学の理論は以前からずっと提唱されてきた古典的なものですが、エコーの進歩により多くの指標が揃ってきた現代こそ心力学再興の時期だと思います。

この本は、心力学や病態の基礎から始まり、エコー所見の臨床応用まで含め様々なヒントが散りばめられており、表紙からは想像できないほど役立ちます。

内容は物語仕立てなので、読み進めやすいところもよいですね。

エコーの見方について自分の中にしっかりとした軸を持つことは臨床では重要ですから、この本の中で説明されている4つの線について理解を深め、それを軸にして自信をもって心機能を判断できるようになりましょう。

Next Step 心電図を読んで心エコーを究める

心電図所見で心エコー所見を裏付けしましょうというありそうでない視点から書かれた一冊。

私個人は以前から左室肥大所見を心電図で確認しつつ、エコーでも左室肥大があるかなー、拡張障害があるかなーと考えたりしてましたが、一冊の本にまとまるほどの様々な心電図と心エコーの繋がりを簡潔かつ分かりやすく示してくれているのは大変ありがたいです。
というかとても勉強になります。

冒頭のESC心不全ガイドラインにおける心不全診断でも、初めは心電図異常から心不全診断が始まるパターンがありますので、そういう意味では時代を先取りした内容と言えるかもしれません。

心エコーだけでなく心電図にも自信がないという人にオススメの一冊。

そうだったのか! 絶対わかる心エコー〜見てイメージできる判読・計測・評価のコツ

上で紹介した『萌える!心力学〜』の著者、岩倉 克臣さんによる、こちらは見た目も(まあまあ)硬派な心エコー本です。
心エコーの見方、計測、判断方法やエビデンスなどについて幅広く網羅された一冊。

解剖や心力学的な視点からではなく、まずは心エコーとはどんなものか、どういう画像があるのか、基準値はどうか、などをざっと知りたい方にはこの本がよいでしょう。

またwebで動画も観られるので、実際の動きを確認したい人にもすごく参考になると思います。
心エコーは動画を見ると本当にどんな心臓なのかがよくわかるんですよね。

この本は、初めて心エコーの世界に挑む人にとって地図のような役割を果たしてくれるでしょう。

職場に萌え系の絵がついた本を置きにくいなあという場合のチョイスとしてもよいかと思います。

心エコーハンドブックシリーズ

プロフェッショナルのための心エコー本としてはこちらの心エコーハンドブックシリーズがオススメ。
心エコーの基礎的なことは理解できていてさらに先に進みたい方のためにこのシリーズをチョイスしました。

撮り方に関する一冊目から始まり、弁膜症、冠動脈疾患、先天性心疾患、心不全など、年々シリーズが増えていて、各分野とも突っ込んだ充実した内容なのに、分かりやすく整理されていると評判です。

個人的には心不全と先天性心疾患が今後かなり必要とされる時代になると思っているので、このあたりしっかり読みたいなあと考えています。
特に先天性心疾患はエコー撮影やレポートがかなり特殊で、初めて小児循環器の患者さんの心エコーレポートを見た時は「なんじゃこりゃー!」となること請け合いです(経験談)。
心リハ領域でも先天性心疾患は対象者が今後増えるので、手元に一冊置いておくといざという時に役立つと思いますよ。

最後に

はじめにも述べましたが、心リハでもそうでなくても循環器疾患に関わる人にはこれまで以上に心エコーの重要性が増してくる時代になります。

なるべく読みやすい本をチョイスしましたので、参考にしていただき、心エコーに対する苦手意識を克服してもらえると幸いです。

ではでは。