心臓リハビリテーションのまにまに

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行動変容のステージモデル(導入編)

こんにちは、心リハ太郎です。

あなたは、病気の再発予防のためにして欲しい行動(例えば禁煙や運動など)を患者さんがしていなかったときどう感じますか?

変わってなくてがっかり?
変わってなくてイライラ?
変わってないなら仕方がないと諦めますか?

そもそも行動に移せていない=変化がないということなのでしょうか?

行動変容のステージモデルは行動のみに焦点を当てないことで、患者さんの細かな変化に気付き、患者さんの行動変容をサポートするためのツールです。
そして患者さんの気持ちを追い込まないためのツールでもあります。

早速見ていきましょう。

ステージモデルの基礎を理解しよう

行動変容のステージモデルの中心となるのはその名の通り行動変容の段階(ステージ)という考え方です。

この段階は主に5つのステージからできています。

  • 無関心期:興味がない、やる気がない
  • 関心期:興味はあるけど行動に移せない
  • 準備期:何らかの行動を始めている
  • 実行期:有意義な行動を開始している
  • 維持期:有意義な行動を半年以上続けている
  • (終末期:生涯変わらぬ習慣ができている)

(終末期は禁煙や断酒のような何かをやめる場合のみに使われる特殊なステージのためカッコ書きにしています)

皆さんや患者さんがなにか行動を習慣づけるまでにはこれらのステージを行ったり来たりします
例えば禁煙に挑戦する場合、数日やめたけどまた吸い始めて、何ヶ月かしてまた禁煙に挑戦するみたいな感じですね。

あと誤解されやすいこととしては一つずつステージを昇り降りするわけではないということです。
無関心期からいきなり実行期に移る、あるいは準備期から無関心期に戻るといったように、半年以上継続することが条件となる維持期は別として、それ以外のステージにはどこからどこへでも移行しうるのが特徴です。

例えば全くダイエットに興味がなかった人が、ある日突然思い立ってダイエットを始めるということもありますし、逆に3ヶ月ダイエットが続いていたのにある日暴飲暴食を始めてしまう、なんてこともありますよね。

認知的・心理的な変化に目を向ける

上に述べた5つのステージのうち、無関心期から準備期までのステージは、実際には意味のある行動をしていない時期です。
運動でいえば

  • 無関心期:運動する気もないし興味もない
  • 関心期:運動の方法について興味があり関連する本を読んだりTVをみたりしてみた
  • 準備期:近所を少し散歩してみた

などにあたります。

運動による様々な効果は近所を少し散歩するくらいでは得られないですし、当然のことながら本を読んだりTVをみても運動の効果など得られるわけではないのですが、その人の心の中を覗けば場合によってはびっくりするくらいの変化が起こっている場合があります

我々はともすれば、患者さんが意味のある行動を取っていない時には、それを取り上げてこうしたほうがいい、ああしたほうがいいとあれこれ指摘してしまいますが、実際のところは患者さんのやる気を失わせるだけの行動に過ぎない場合がほとんどです。

それよりは、「なるほどこういう考え方に変わったんですね」とか「そんなことをしてみたんですか、やってみてどうでしたか?」と患者さん目線に立って変化に気付き共に喜ぶほうがよほど効果があります。

患者さんの認識や心理的な変化もステージの中に組み込むことで、行動変容のステージモデルを使うまでは気付くことができなかった患者さんのささいな変化を医療者に気付かせてくれるわけです。
これが行動変容のステージモデルの一つの肝になります。

次回に続きます。

【行動変容のステージモデル記事一覧】
行動変容のステージモデル(導入編) - 心臓リハビリテーションのまにまに
行動変容のステージモデル(無関心期編) - 心臓リハビリテーションのまにまに
行動変容のステージモデル(関心期 問題編) - 心臓リハビリテーションのまにまに
行動変容のステージモデル(関心期 解決編) - 心臓リハビリテーションのまにまに