心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションについて考えたり思ったりしていることをつらつらと書いています。

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介護生活敗戦記が更新されました


こんにちは、心リハ太郎です。
個人的に楽しみに読んでいる介護生活敗戦記がいよいよ佳境に入ってきました。
介護生活敗戦期は、日経ビジネスオンラインで連載されている記事で、ノンフィクション作家で科学技術ジャーナリストでもある松浦晋也さんが認知症のお母さんを介護する様子、感情などをリアルに描いた素晴らしい連載です。

前回と今回は2年半の自宅介護を経て、精神的に追い詰められお母さんを叩いてしまった松浦さんが、兄弟と相談してお母さんを施設へ入所させることを決め、ついにお母さんのグループホームへの入所が決まったという内容でした。

母、我が家を去る:日経ビジネスオンライン

 「身内の介護はね、どうしても限界があって、どんなにがんばってもやさしくできなくなっちゃうんですよ。大丈夫、距離をとれば、またやさしく接することができるようになりますよ」

 ケアマネTさんの「よく頑張った」(前回参照)と同じく、H医師の言葉は、家庭内暴力を起こした者に対するマニュアル的な定型の文言なのかもしれなかった。

 それでも、ここまで2年半を介護の矢面に立っていた私の耳にはありがたく響き、思わず涙が出て来た。

急性期の病院で働いていると、病気を治療してADLを最低限のレベルまで向上させてということに必死で、また患者さんの家族にもなかなか頻繁には会えないため、認知症の患者さんの家族が普段どのようなことに困っているのか、どのような気持ちなのかというお話をじっくりと家族の視点から聴ける機会が少ないと思います。

実は私にも認知症の叔母がおり、彼女も話していたことを10秒後には忘れているという状態です。
基本的動作は自立しているのですが、応用的ADLである食事や金銭管理がもう自分ではできないため、私の母と叔父が介護しに日替わりで1時間くらいかけて叔母の自宅へ通っていました。
その苦労はなかなか実らず、母も叔父も非常に精神的に追い詰められたため、ショートステイの利用をはじめたという経緯があります。

私もこの件に多少関わり、母や叔父の話を聞いていたり、自分自身も叔母の家を何度か訪れたため、この介護生活敗戦記は、医療者側ではなく家族側の視点として、ものすごくリアルに感じるのです。

今後の医療において認知症を有する方の数は類を見ないほど莫大になることが予想されます。
基本動作であるADLは重視されても、応用的ADLなどは重視されないことも未だ多く、その陰で悲嘆に暮れる家族も増えていると思います。
そういった家族の視点を自分の中に取り入れるという点からも、個人的には医療者みんなにこの連載を読んで欲しいところです。

介護生活敗戦記が書籍化されたのでまとめて読めるようになりました。私も一冊職場に置いておこうかなあと思っています。

ではでは。