心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションを10年以上している心リハ太郎が日々考えたり思ったりしているエビデンスのあることないことをつらつらと書いています。

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減量を成功させてその後の体重を維持するコツ

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心リハ太郎です。

皆さんダイエットしてますか?

もしくは患者さんに減量指導してますか?

食べると痩せるとかいう食品ありますけどあれ基本的に嘘ですからね。騙されないように。

さて、体重を減らすのに一番大事なことってなんだと思いますか?

運動?糖質制限?脂質制限?

全部違います。

一番大事なことは、なぜ体重が増えるのか、その理由を知ることです。

減量し、その状態を維持するために、自分の体重が増える理由が理解できれば、あとはそのように行動するだけです。

では始めましょう。

脂肪1kgのカロリー

今回お伝えする数字で一番大事な数字です。

まず頭に叩き込んで下さい。

脂肪1kgは約7000kcal(キロカロリー)です。

1kg体重が増えたということは7000kcalを身体に蓄えたということです。

これは余分に食べているか動いていないかのどちらか、またはその両方が原因になります。

ちなみに

  • ご飯茶わん1杯は+200kcal
  • お菓子の小袋1つは+100kcal
  • 30分の歩行(約3000歩)は-100kcal

くらいと思って下さい。

あなたの体重が1年で1kg増えたのなら365日で+7000kcal分余分に食べたか動いていなかったということです。

1年7000kcalを1日あたりに換算すると、1kg増えるのに1日+20kcal足らずとなります。小さいあられ1個とかそんなレベルです。

同様に1年で3kg増えたのなら365日で+21000kcal(1日あたり60kcal)余分に食べたか、または20分程度動くのをサボったわけですね。

まずは計算してみましょう

まずはあなたがこの1年で何kg増えたか計算してみましょう。
1年の変化が分からない人は、覚えている時から今までの年月で何kg増えたのかを計算してみて下さい。
1kg増えていたら7000kcal、2kgなら14000kcal、5kgなら35000kcalです。
これを1日あたりのカロリーに直してみて下さい。
1年で+1kgなら1日約20kcalですので、1年あたり増えた体重(kg)×20kcalで、1日あたりの過剰カロリーが計算できます。

1日当たりの過剰カロリー(kcal)

 = 1年毎に増えた体重(kg) × 20kcal

1年で+5kgなら1日あたり+100kcal余分に食べたか動かなかったということです。

毎日お菓子を1個余分に食べるだけで5kg以上太る

体重が増えている人と話をすると、大体の人は「そんなに食べてないんだけどなあ」と言います

確かにそんなに食べてないんです。

だって毎日小さめのお菓子1袋食べるだけならそんなに食べてないって言いますよね

私だって聞かれたらそう言います。

でもこれを数値に直してみると100kcal×365日= 36500kcal = 体重+5.2kg ということになるんです。

え、それだけでこんなに増えるの?とちょっとびっくりしませんか?

有名どころのお菓子を調べてみた

100kcalに相当する有名どころのお菓子などのカロリー量を調べてみました。

  • ビスコ 1袋(5枚入り)
  • ポテトチップス10〜15枚 
  • キットカット1枚(2ブロック分)
  • チョコパイ2/3個
  • ポカリスエット400ml
  • コカコーラ 200ml
  • 雪見だいふく1.5個
  • ショートケーキ 1/3個
  • 大福もち 1/2個

・・・・。

毎日余裕でこれくらいは食べてるんではないでしょうか?

ネットで検索すれば大体のお菓子はカロリーが分かりますので調べてみましょう。

運動だけで体重を減らすのは難しい

ダイエットというと運動を始める人が多いと思いますが、毎日30分(約3000歩=100kcal)歩いても、70日で-7000kcalであり、約2ヶ月でようやく1kg減る計算になります。

毎日1時間運動しても1ヶ月で1kgしか減らないペースです。

これが運動だけで得られる減量効果です。

結構絶望的な気分になる人が多いのではないでしょうか?

ちなみに汗をかいて体重を減らすって人がいますが、水分を減らしても脂肪が減ったわけじゃないので、カロリーを余分に消費したことにはなりません。

汗で減った分の体重は、後で身体が必要な水分を再吸収するのですぐ元に戻ります。

ちなみに水分補給もせずに汗をダラダラかきながら運動すると、脱水になって血液がドロドロになり、単に血管が詰まりやすくなるリスクや心臓に負担をかけるリスクを増やすだけです。水も飲まずに大量の汗をかきながら運動することは百害あって一利なしなのでやめましょう。また、心疾患の患者さんにはこういうことは絶対にさせないで下さいね。

このように運動だけではそれほど体重が減らないことが分かると、体重を効果的に減らすためには、ちょっとした間食を減らしながら動く量も増やすことが大事だということが分かります。

減量の目標は高く設定しない

先ほど述べたように、毎日1時間歩いても1kg減量するのに大体1ヶ月かかります。

つまり、1ヶ月に3kgも4kgも痩せるのは現実的ではないわけです。

もちろん不可能ではありませんが、身体に異常な負担をかけることになりますし、リバウンドの可能性が非常に高くなります。

人間の身体は栄養がほとんど入ってこなくなると、餓死するのを防ぐために身体に脂肪を溜め込もうとし始めます。

人間も動物ですから、野生で生きていた時代の名残りが残っています。

獲物が手に入らない期間が続いたあとに何か食べた時には、ものすごく吸収効率を上げて次の獲物がとれない時期に備え、脂肪を蓄えようとするわけです。

これがダイエットでリバウンドが起こる理由です。

短期間に14,000kcal程度失われると飢餓の状態とみなされます。これは体重なら2kg分です。

高い減量目標を立てて、厳しい食事制限をかければかけるほど、自然の摂理で激しいリバウンドが待っているため、マイルドな目標を立てた方が長期的には成功しやすいということになります。

どのくらいがマイルドかはその人の体重にも寄りますが、飢餓状態にさせないためにも基本的には1ヶ月1〜2kg程度の減量に留めるのがよいでしょう。

自分の歩数を確認しましょう

スマホなどに歩数計が付いている人は自分が1日何歩動いているかを確かめましょう。

6000歩まで到達していない人は、1日の活動で200kcalも使っていないことになります。

こういう人は正直おやつを食べる資格はありません。

おやつも食べたい、でも痩せたいっていう希望を叶えるのは6000歩以下の生活では恐らく不可能です

最低6000歩以上、できれば8000歩以上を目指して少しでも動く量を増やすようにして下さい。

ポイントは通勤の時に歩く、買い物の時に歩く、エレベーターでなく階段を使うなど、少しでも身体を動かすタイミングがあれば歩数を増やしにいくことです。

1分歩けば約100歩ですので、足りない歩数を100で割れば何分余分に歩けばいいかが分かります。

ちょっとした歩数でも、1年で1kg増えた人なら1日-20kcal(約6分の歩行)くらいのカロリーを使えばいいだけなので、少しでも歩くことを毎日続ければ必ず痩せる効果が現れます。

減量を続けるコツは毎日体重計に乗るのをやめること

せっかく毎日運動しても、間食を減らしても1kg減らすのに1〜2ヶ月かかるわけです。

当然ながら毎日体重計に乗っても1日単位で目に見える変化など起こるわけがありません

ですので、ある程度変化が出ると思われる2週間から1ヶ月に1度体重計に乗るくらいで丁度いいです。

効果が目に見えなくて当然なのに、それを毎日わざわざ確認することは、自分でやる気をなくすような行動をしているのと同じです。それで大抵の人はダイエットに失敗するんです。

減量中は毎日体重計に乗るのはやめましょう

減っているはずの時期(2週間から4週間)に1,2度体重計に乗り、減っていなければその時に間食や運動の量を調整しましょう。

体重が減ってからは頻繁に体重計に乗ろう

じゃあ体重計にはたまに乗るだけでいいのか、といえばそんなことはありません。

体重が減ってきたら、数日に1度、最低1週間に1度体重計に乗りましょう

何故かというと、減った体重が増えていないことを確認するためです。

大体の人は、目標体重に到達したら元の食生活と運動量に戻りますするとまた体重は増え始めます

当たり前ですよね。1年で3kg太る生活をしていた人は同じ生活を再開したら、また1年で3kg増えるに決まっています。

それを防ぐためには、体重が増加傾向になっていないかを確認するのが早いのです。そのために体重計に乗るわけです。

体重が増加傾向なら、余分なものを食べているか、動く量が減っているか、その両方か、ということになりますので間食や運動量の調整をしましょう。

増えていないなら今の食生活と運動量でカロリーのバランスが取れています。

まとめ

  1. 体重1kgあたりのカロリーは7000kcalであることを覚えましょう
  2. 自分の体重増加から1日あたりの過剰カロリーがどれだけかを計算しましょう(+1kg/年なら20kcal/日)
  3. 1日あたりの間食で何kcalくらい余分にとっているかを把握しましょう(お菓子の小袋1つ100kcal)
  4. 1日あたりの歩数が6000歩以下になっていないかを確認しましょう(3000歩で-100kcal)
  5. 体重を増やさないため、また減らすためにはどれだけ間食量と運動量を変えればよいかを考えましょう
  6. 目標は高く設定しすぎず1ヶ月に-1〜2kg程度減量するくらいのスケジュールにしましょう
  7. 減量中は頻繁に体重計に乗らないようにしましょう
  8. 減量した後は頻繁に体重計に乗って体重が増えていないかを確認し、増えてきたら間食と歩数を再び見直しましょう

 

このように具体的に数字にしてみると1日あたりに減らさなければいけないカロリーはそれほど多くないはずです。

まずは1日あたり余分に取っているカロリーを把握し、どう対処するかを考えれば、日常のちょっとした間食(お菓子1個くらい)を減らすだけでも結構体重が減ることが分かると思います。

是非試してみて下さい。

 

ではでは。