心臓リハビリテーションのまにまに

心臓リハビリテーションについて考えたり思ったりしていることをつらつらと書いています。

EZRは素晴らしい統計ソフト

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研究を始めると始めのほうで統計の二つの壁にぶちあたります。

一つは統計に関する知識がなく何がなんだかわからないこと。

もう一つはSPSSとかSASなどの統計ソフトが10万円以上と死ぬほど高く、個人で簡単に使える環境がないことです。

統計ソフトがいつでも使えたらいいのに

学会前などは皆で奪い合いながら統計ソフトの入ったパソコンを使いますよね。

はじめのうちは、ただでさえ統計のこともソフトの使い方もわからず作業に時間がかかるのに、そこに人が押し寄せるわけですから最悪の状況です。

t検定くらいならExcelでもできますが、少し統計について勉強するとExcelでは足りないことがすぐわかりますので、その貴重なPCの順番待ちをするしかないわけです。

しかも多変量解析などの高度だけどすぐ必要になる検定手法は、例えばSPSSだと数万以上する追加パッケージが必要だったりして職場や研究室では買ってもらえないこともよくあります…。

気軽に多重ロジスティック回帰分析とかやってみたい。しかものんびり家で。もう夜遅くまで残って作業するのヤダー!

そう思って10年くらい過ごしていたところに登場したのがEZRです。

無料で高機能なEZR

EZRは無料で医療系研究に必要な検定方法をほぼ網羅しているという奇跡の統計ソフトです。

無料統計ソフトEZR (Easy R)

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SPSSとかSASとか使ってた人は、EZRで使える検定一覧を見ると多分目ん玉飛び出る気持ちになります。

他の統計ソフトと同じように、EZRでもソフトの使い方を覚える必要がありますが、慣れてしまえば何でもできます。

なにせ自分のパソコンに統計ソフトをインストールできて好きなように使えるわけですから慣れるまでの時間も桁違いに短いです。

以前6年ほどSPSSを使っていた心リハ太郎はもう4年くらいこのソフトを使ってますが神ソフトすぎて他のソフトを使う気になりません。

EZRには使いたい検定がほぼ網羅されている

EZRでは皆さんがよく使うだろうなという検定はほぼ網羅されています。例えば

  • t検定
  • Fisherの正確確率検定(カイ二乗検定の高機能版)
  • ピアソンの相関係数
  • 分散分析(ANOVA:一元配置、二元配置、反復測定など)
  • 分散分析後の多重比較(post-hoc検定)
  • 多変量解析(ロジスティック回帰分析)
  • COX比例ハザードモデルなどの生存解析
  • ROC曲線解析
  • マッチドペア解析
  • メタアナリシス
  • サンプルサイズ計算

などです。

通常の統計ソフトなら10万円以上かけないと使えない機能が無料で簡単に使えるんですよ!お試しで多変量解析やってみよ、とかできるんですよ!

これがあれば小規模から大規模までほぼ全ての医療系研究がこなせると言っても本当に過言ではないレベルです。

EZRをインストールしてみよう

EZRをインストールすれば自分のパソコンで好きな時に好きな統計解析を気兼ねなく行うことができます。
職場や研究室のパソコンが空いてるときを見計らって使ったり、夜遅くまで残って作業しなくていいんです。
なので心リハ太郎は職場の共有マシン(Windows、Mac)にも自分のPCにもEZRを入れて、データはGoogleドライブに入れてどこでも作業ができるようにしています。

EZRをダウンロードしよう

EZRは自治医科大学さいたま医療センターの神田先生が作成、公開して下さっています。

ここからダウンロードできます。

Windows版 無料統計ソフトEZR (Easy R) Windows標準版

macOS X版 無料統計ソフトEZR (Easy R)

LINUX版 無料統計ソフトEZR (Easy R)

基本的なOS用のソフトが用意されていますので大体の人はEZRがインストールできる環境にあると思います。

OS X版は先にXQuartzでX11ウインドウシステムをインストールしないと動きません。ちなみにmacOS Sierraでも使えました。

EZRに関する書籍

EZRの使い方は上で紹介した本家サイトに詳しく書かれていますが、書籍を参考にしたほうが分かりやすいです。

こちらでもまとめています。

みんなの医療統計

みんなの医療統計はEZRの使い方と医療統計を同時に学びたい人にはうってつけです。

わかりやすさを重視してあるので、初心者だけど今すぐEZRを使って検定したいって人にはとても役に立ちます。

基本的な検定手法も網羅されており大体のパターンで使えるでしょう。

惜しいのは多変量解析についての説明がないことですが、近日多変量解析編が出る予定ですので、必要な方はそちらを読むとよいでしょう。

EZRでやさしく学ぶ統計学

また、これから真面目に研究したい、あるいは統計の基礎は分かってるって方は「EZRでやさしく学ぶ統計学 EBMの実践から臨床研究まで 2版」を読みましょう。

EZRの作者が書いただけあって、EZRを使えば使うほど、困ったときにはこの本が辞書のように使えます

インストール用のCD-ROMも付いてますので、これさえ買えばすぐEZRを使い始められます

t検定などの基本的な解析だけでなく、EZRで多変量解析やROC曲線分析、生存解析などの高度な解析をどういう手順で行ない、結果をどう読めばいいのかも分かります。

統計解析に関する基礎的な解説なもあり、統計解析の教科書としても使えますので、そういう本を持っていない人にもおすすめです。

またSPSSなどの他の統計ソフトを使ったことがあり、ある程度統計の知識があるかたはEZRの使い方を調べるためにこの本を手元に置いておけばよいと思います。

そもそも統計の基礎もわからない人向けの本

統計自体の知識が全くない人はEZRを使う前に統計の基礎の基礎を理解していないと上の本に書いてあることが分からないかもしれません。

マンガでわかる統計学

そういう方はマンガでわかる統計学を読むとよいでしょう。

マンガなのに手を抜かず正確で詳しい説明がされていてすごく分かりやすいのと、研究において意外に壁となるデータの集め方から書かれている良書です。

心リハ太郎は工学部出身の友達から勧められて10年以上前に読みましたが、今でも色褪せない内容だと思いますよ。

マンガでわかる統計学入門(Kindle)

ちなみに電子書籍の方がいいって方はマンガでわかる統計学入門をおすすめします。

この本では細かい解説というよりは分かりやすさを重視してますが、統計学の用語や基本的な考え方などについての導入編としてはよいでしょう。

手っ取り早く理解したいけど堅苦しいのが苦手って方はまずこの本からどうぞ。

最後に

EZRという素晴らしいソフトを世に送り出して下さり、アップデートも頻繁にして下さっている神田先生、本当にどうもありがとうございます!

このソフトがあるおかげで素晴らしい統計ライフを送ることができています。

ちなみに研究における重要性では統計解析の占める割合はほんの数%です。研究にあたり最も大事なのは心構えと研究デザインです。

まずはどういう研究をしたいのか、自分の持っているデータからは何が言えるのかということをしっかりと考えて研究に臨みましょう。

 

ではでは。